シャインが支援について語る! ─読むべき著作とその際に求められるスタンス─

キャリア・個人, シャインさん、著書を語る, 著作と関連書籍

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 シャインが、自著の中から、個人あるいは組織を支援する際に役に立つ本を紹介しています。
 5分ほどの短い動画から書き起こしたコメントではありますが、シャインらしい厳密な語り口で、おすすめの自著を紹介しながらさまざまなシチュエーションにおける支援のあり方の一端を伝えています。
(白桃書房編集部)

 今日は、個人や組織の支援をしようとする時に必要となる本のお話をします。まず最初に支援のプロセス自体には、いくつかの種類があると考えることが重要です。例えば、あなたは、まず(第三者の立場に立つ)<専門家>の視点から情報提供できます。また、(指示を出して従わせる)<医者>として診断したり処方箋を出すこともできます。また、クライアント自身こそが問題を解決できるという<プロセス・コンサルタント>でもありえます。

 組織の支援を考えると、組織には組織文化があることが、通常、最初に考えるべき問題となります。組織には特有の組織文化が発展し、独自のやりかたがあります。そして、組織に対してどのような支援、どのようなコンサルティングを行うにも、まず組織全体、異なる部門、異なる職種などごとに組織の文化がどのように機能しているかを深く理解することが不可欠であるということを、私は経験してきました。そのために、もっとも良い参考書となるのは私の本です。『組織文化とリーダーシップ』ではどのように文化が創られ、どのように機能し、組織文化の問題で支援する際にそれらをどのように理解すべきかなどの詳細をまとめています。

 今、もしあなたが<プロセス・コンサルタント>として組織と仕事をしていたら、クライアントの自らの組織の理解をどのように支援するかをまとめた『プロセス・コンサルテーション』を読むと良いでしょう。
そして、もしクライアントとあなたが、その組織文化を理解したら、ただ<専門家>として何をすべきかを言うだけではなく、あなたが診断しクライアントと文化についての作業を進めるために、『組織文化とリーダーシップ』で説明されている実際のプロセスを参考にすると良いでしょう。つまり、組織についてのコンサルティングにあたって文化について考えることが欠かせませんから、この2冊の本が貢献するでしょう。

 一方、個人の場合で、異なる種類のキャリアの課題に対し、<専門家>として支援する場合は、どのようなキャリアを歩むべきかを理解するために、本人のコンピテンシーや大事にする価値、動機などを診断する『キャリア・アンカー』が参考になることでしょう。クライアントのキャリア構築、変革、拡張にあたり、彼らが自分自身について分かったことを活用するのを助ける、<医者>の役割を果たす専門家や支援家になれます。

 また、もう一方では、彼らはより一般的なカウンセリングを必要としているだけなのかも知れません。その場合は一般向けに書かれた『人を助けるとはどういうことか』『問いかける技術』の2冊を使うと良いでしょう。この2冊は、支援の前に必ずある2つのプロセス、クライアントが何を本当に必要としているかを理解するということ、何がしかの提案をする前に質問をするということで、つながっています。「謙虚な問い(humble inquiry、『問いかける技術』の原題)」は、特にクライアントとの関係が始まったばかりの時に、質問をするための基本的な優れた方法です。支援できる関係となるためにはクライアントからの一定の信頼が必要で、どんな場合でも、このプロセスのカギとなっている「謙虚な問い」、つまり、オープンで好奇心を持ち、助けようとする意思を持って質問しない限り、必要な信頼レベルには到達しません。

 ですから、個人向けのものをまとめると、『キャリア・アンカー』、『人を助けるとはどういうことか』、『問いかける技術』が役に立つでしょう。
 組織向けのコンサルティングには、『組織文化とリーダーシップ』と『プロセス・コンサルテーション』が必要で、実際のプロセス・コンサルティングにあたっては、『人を助けるとはどういうことか』と『問いかける技術』もきっと必要だと思われることでしょう。

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