簡体字版『組織文化とリーダーシップ』出版社に聞く、中国における組織文化の捉え方

組織, 著作と関連書籍

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cof中国人民大学出版社は、中華人民共和国成立後、最初に設立された大学出版社で、人文・社会科学系を中心に出版され、社員数は500名を超える規模です。
経営出版部門だけでも編集者が20名いて、年に150点出版しているとのことで、『組織文化とリーダーシップ』については、第3版第4版を翻訳出版されています。
版権購入で北京国際ブックフェアに訪問した白桃書房スタッフが、簡体字版(*)の『組織文化とリーダーシップ』を出版された同社のスタッフに、出版のいきさつや反響などをお伺いしました。
ご対応いただいたのは、上級編集者で経営出版部門の副部門長である熊鮮菊様で、通訳を高雅様(版権マネジャー)にお願いしました。
(白桃書房編集部)

この本の出版のきっかけは?

この本は、学術的な名著の収録を目指す、「当代世界学術名著」シリーズに入っています。付き合いのある大学の先生(章凱教授)がシャインはこの分野の創始者なのでこのシリーズによいということで、薦めてくれました。

売り上げはいかがですか?

simplifiedCHNversion第3版と第4版、それぞれ9000部づつ作っていて、第4版は現在、製作部数の3/4の7000部弱が売れています。大学の研究者や図書館、またオンライン書店を中心に売れています。ただオンライン書店で売れていると言っても、恐らく、一般のビジネスパーソンが買っているというよりは、大学での販売と同様、研究者や図書館にお買い上げいただいていると思います。価格が一般書の価格帯より高めの58元になっていますから。

このシリーズには、この他にも組織文化や企業文化の本がいろいろ収録されていますね。中国では「組織文化」はどのように認識されていますか?

今、社会的に、企業の経営者や管理者が従業員を引っ張っていくのに、賃金だけでは不十分という認識が広まってきています。特に多様な価値観を持つようになってきた、若い従業員を組織に統合していく上で重要度が増していると考えられるようになってきており、組織文化の考え方に注目が高まっています。
また、あるコンサルタント会社が、シャインの理論をベースにした社員研修を行っているという話も聞いています。

御社では、他に、『キャリア・サバイバル』も2015年に出されていますね? 『組織文化とリーダーシップ』の成功を受けて出版されたのですか?simplifiedCHNversionCS

ええ、出版してはいるのですが、この本は、私たちとは別の部署の一般書部門が出版していて、彼らは独立採算なので、詳しい事情はよく把握していません。

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右が担当編集者の熊鮮菊氏、左が通訳の高雅氏

この本は台湾でも翻訳出版されていて、その出版社の方ともお話ししてきました。そこで違いが際立ったのは、日本は察する文化を共有していて、お互いにあまりオープンにディスカッションをしない一方、台湾ではとにかく上下を問わず議論をして物事をはっきりさせる、ということです。そこで問題になりやすいのは、日本で、上司の指示が自分の都合に合わない場合は、とりあえず受け流してその指示にはまじめに取り組まないということがありがちなことです。中国ではどうですか?

上司によるところが大きくて一概には言いにくいですね。オープンな上司ならいろいろ意見も言いやすいのですが、そのような上司はあまり多くないので、その時は対応はなかなか難しいです。

その点では日本も同じですね。でも「上有政策、下有対策」という言葉もありますから、きっと中国には洗練された手法があるのではないですか? そのような手法を研究した本を出版されたら是非教えてください。
(一同笑)

(*)簡体字は中国本土で使われている漢字で日本の漢字より大幅に簡略化された字体。香港・マカオ・台湾では繁体字という日本の旧字体に似た漢字が使われている。翻訳出版では、どちらの漢字を使うかで別の版権の扱いとなる。

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